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緘黙症に対する接し方のポイントをご紹介|訪問看護師としてできることとは?

精神科訪問看護とは

緘黙症(かんもくしょう)とは、不安障害などの精神疾患や、ストレスによって生じるコミュニケーション障害の一種です。

緘黙症の症状や適切な接し方を理解することで、日常生活や社会復帰など、包括的なサポートが可能です。

この記事では、緘黙症の方に対する接し方のポイントや看護について解説します。さらに、訪問看護に焦点を当てた、緘黙症の患者さまへの関わり方についてもご紹介します。

緘黙症のあるお子さんやご家族は、日々悩みを抱えがちです。訪問看護ステーションくるみでは、緘黙症への適切な接し方を大切にしながら、ご家庭で安心して過ごせる環境づくりをサポートしています。訪問看護師として、子ども一人ひとりのペースに寄り添い、家族と一緒に「できること」から支援を行います。

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

場面緘黙症とは

場面緘黙症とは、ある特定の状況や環境において、言葉を発することが難しくなる状態を指します。自宅など安心できる場所では会話ができる一方で、学校や職場といった社会的な場面になると話せなくなってしまうのが特徴です。精神的な緊張や不安が強く関係しており、適切な理解と配慮が求められます。

限られた社会的な状況で会話ができなくなる状態

場面緘黙症の大きな特徴は、「どこでも話せない」のではなく、「特定の場面だけで話せなくなる」点にあります。家庭内では問題なく会話できるにもかかわらず、学校や職場などでは声が出なくなることがあります。このため、周囲からは状況の変化に気づかれにくい場合もあります。

本人の性格や意志の問題と勘違いされやすい

場面緘黙症は、「恥ずかしがり屋」「内向的な性格」と誤解されることが少なくありません。しかし、本人が意図的に話さないわけではなく、不安や緊張によって言葉が出なくなっている状態です。こうした誤解が続くと、本人がつらい思いをしたり、孤立感を強めたりすることもあります。

成長とともに改善するケースもある

場面緘黙症は、成長の過程で徐々に症状が和らぐ場合もあります。しかし、すべての人が自然に改善するわけではなく、青年期以降も症状が続くことがあります。大人になってから仕事や学業に影響が出る場合もあるため、必要に応じて治療や支援を受けることが大切です。

子供の場面緘黙症の主な症状

子どもの場面緘黙症は、「話せない」ことだけが症状ではありません。緊張や不安が強まることで、行動や体の反応にもさまざまな影響が現れることがあります。ここでは、よく見られる代表的な症状について解説します。

家庭以外で話せなくなってしまう

家庭ではよく話すのに、幼稚園や保育園、学校などの特定の場面になると声が出なくなるのが、場面緘黙症の大きな特徴です。本人は話したい気持ちがあっても、強い不安や緊張によって言葉が出なくなってしまいます。そのため、質問にうなずきや首振りで答えたり、表情や身振りで意思表示をしたりすることもあります。

特定の動作ができなくなる

場面緘黙症の子どもは、話すこと以外にも、あいさつをする、手を挙げる、順番に参加するといった行動ができなくなることがあります。これは「やりたくない」のではなく、不安が高まることで体が思うように動かなくなっている状態です。周囲からは消極的に見えることがありますが、本人にとっては大きな負担となっています。

体が緊張して反応できなくなる

不安が強い場面では、体がこわばり、表情が固まったり、視線を合わせられなくなったりすることがあります。また、声だけでなく動作や反応そのものが止まってしまうこともあります。こうした反応は、本人が危険を感じているわけではなく、心と体が過度に緊張しているサインと考えられています。

緘黙症の原因

緘黙症は、単一の原因で起こるものではなく、脳の働きや性格傾向、環境要因などが複雑に関係して生じると考えられています。本人や家族の関わり方が直接の原因になるわけではなく、「なりやすさ」が重なった結果として現れる点を理解することが大切です。

脳の扁桃体の過敏性

場面緘黙症は、不安や恐怖を感じたときに働く脳の「扁桃体」が過敏に反応することと関係していると考えられています。人前で話す場面などで強い緊張を感じると、体が危険を回避しようとして反応し、言葉や行動が止まってしまう状態が起こります。これは本人の意思ではコントロールしにくい反応です。

不安を感じやすい性格

もともと慎重で緊張しやすい、失敗を強く恐れるといった性格傾向がある子どもは、場面緘黙症を発症しやすいとされています。新しい環境や評価される場面に強い不安を感じることで、「話すこと」が大きな負担になり、症状として表れることがあります。

不安気質や遺伝的要因

不安を感じやすい体質や気質は、遺伝的な影響を受ける場合もあります。家族に不安障害や緊張しやすい傾向がある場合、場面緘黙症の発症リスクが高まることが指摘されています。ただし、遺伝だけで決まるものではなく、環境との組み合わせが重要です。

育ってきた環境(過保護・厳格なしつけ)

家庭環境が影響する場合もありますが、「親の育て方が悪い」という意味ではありません。過保護や厳格な関わりの中で、子どもが失敗を極端に恐れるようになると、不安が強まりやすくなることがあります。大切なのは、原因探しではなく、今後どのように安心できる環境を整えるかです。

トラウマ体験やストレス

過去に強く緊張した経験や、否定的な言葉をかけられた体験、対人関係でのストレスがきっかけとなり、特定の場面で話せなくなることもあります。本人にとっては些細に見える出来事でも、心に大きな影響を残している場合があります。

発達障害や言語発達

場面緘黙症は、自閉スペクトラム症や言語発達の遅れなどと併発することがあります。言葉での表現が苦手な場合、人前で話す不安がさらに強まり、症状が固定化しやすくなることもあります。そのため、発達面も含めた総合的な評価と支援が重要になります。

関連記事:うつ病の方は訪問看護を利用できる?受けられるサービスや利用方法を解説

緘黙症の方に対する接し方のポイント

緘黙症の方との接し方にはいくつかのポイントがあります。

ここでは、実際に緘黙症の方と接する際に意識すべきポイントを解説します。

話すことを強要しない

緘黙症の方と話すときは、喋ることや意思表示を強要しないよう注意しましょう。本人は話したくても話せない状況であるため、無理に話すことを求めると不安を煽り、余計に会話しにくくなる恐れがあります。

時間はかかりますが自分のペースで会話するよう促し、ゆっくりとコミュニケーションをとることが大切です。

クローズドクエスチョンを心掛ける

クローズドクエスチョンを心掛けることで、言葉を発せなくともコミュニケーション取りやすくなります。対してオープンクエスチョンでは、回答の選択肢が多くなってしまい、うまく話せない原因となってしまうことも。

YESかNOで返答できるクローズドクエスチョンを心がければ、うなずきや首振りなどでやり取りでき、スムーズな意思疎通が可能となるでしょう。

優しい言葉遣いと態度で接する

やさしい態度や言葉遣いにより、不安やストレスを感じさせないようにすることも大切です。

テンポの速い会話や責め立てるような口調では、ストレスや不安を感じ、言葉を詰まらせてしまう可能性があります。柔らかい表情や言葉遣いを意識して、緘黙症の方に安心感を与えるように心がけましょう。

参照:厚生労働省科学研究成果データベース/場面緘黙症の実態把握と支援のための調査研究(中村和彦)

場面緘黙症の子どもと関わる時の注意点

場面緘黙症の子どもへの対応は、善意であっても逆効果になってしまうことがあります。子どもが安心して過ごせる環境を守るために、避けたい関わり方を知っておくことが大切です。

話すことを強要してしまう

「挨拶だけでいいから」「一言でいいから話してみよう」といった声かけは、子どもにとって大きなプレッシャーになることがあります。本人は話したくないわけではなく、強い不安で声が出ない状態です。無理に話させようとすると、不安がさらに強まり、症状が固定化する恐れがあります。

話せない状態を否定する言動

「どうして話さないの?」「もう大きいんだから」といった言葉は、子どもに自責感や恥ずかしさを与えてしまいます。場面緘黙症は本人の努力不足ではありません。責めることで安心感が失われ、ますます話せなくなる悪循環に陥ることがあります。

人前での発話を過度に評価すること

話せたこと自体を大きく取り上げて褒めると、子どもは「また話さなければならない」という新たな緊張を感じてしまうことがあります。特に人前での称賛は、次の場面への不安を強める場合があるため、静かに見守る姿勢が重要です。

場面緘黙症への治療と向き合い方

場面緘黙症は、適切な支援や治療によって改善が期待できる状態です。子どものペースを尊重しながら、段階的に不安を和らげていくことが大切です。

少しずつ環境に慣れていく支援方法

いきなり集団の中で話すことを目指すのではなく、安心できる少人数や慣れた相手とのやりとりから始めます。成功体験を積み重ねることで、「話しても大丈夫」という感覚を少しずつ育てていきます。

考え方と行動を整理する心理的アプローチ

認知行動療法では、「話したら失敗するかもしれない」といった不安な考え方に向き合い、現実的な受け止め方を身につけていきます。行動面の練習と組み合わせることで、不安への対処力を高める効果が期待されます。

必要に応じて行われる薬による治療

不安が非常に強い場合には、医師の判断で抗不安薬や抗うつ薬が使用されることがあります。薬物療法はあくまで補助的な位置づけであり、心理的支援や環境調整と併せて行われます。

家庭で意識したい支え方のポイント

家庭では、「話さなくても受け入れられている」という安心感を伝えることが何より大切です。過度に注意したり叱ったりせず、子どもの小さな変化を見守る姿勢が回復につながります。安心できる居場所があることが、外の世界への一歩を後押しします。

訪問看護師が緘黙症の方にできること

緘黙症の方と関わる機会は、病院だけではありません。

ここでは訪問看護師に焦点を当て、緘黙症の方に対してできることを解説します。一人ひとりの症状や生活環境などを把握して、その人に合った看護計画や支援を検討・実施することが大切です。

コミュニケーション方法の提案

まずは、緘黙症の方がコミュニケーションを取りやすくなる方法を提案しましょう。
口で言葉を発するのが難しければ、以下の方法もおすすめです。

・筆談でのやり取り
・スマートフォンやタブレットなどの活用
・イラストの使用

患者さま一人ひとりに合ったコミュニケーション方法を提案することが大切です。

関連記事:【精神科訪問看護師が解説!】精神疾患を抱える方への重要な看護師のコミュニケーション方法とは?

環境調整

緘黙症の方がストレスや不安を軽減できるよう、生活環境を調整することも有効です。

ストレスの原因となる刺激や負担を減らしたり、周囲へのサポート体勢を整えたりなど、緘黙症の原因となる問題を改善できる働きかけが求められます。
そのためには、まずなにがきっかけで話しにくくなるのかなどの情報を集める必要があるでしょう。

社会復帰への支援

緘黙症の方が就労したり社会復帰できるよう支援するのも、訪問看護師としての大きな役割の1つです。

就労支援や外出の同行などにより、緘黙症の方が社会復帰できるようサポートします。必要な場合は精神障害者福祉手帳の取得も促し、日常生活が送りやすくなるよう手助けしましょう。

家族に対するケア

緘黙の方と一緒に暮らす家族の中には「家庭環境のせいである」と、自分を責めてしまう方もいます。緘黙は周囲の環境だけでなく、本人の性格や気質が原因となる可能性もあると伝えてあげましょう。

一方で、ご家族の協力は緘黙症の治療に大きく貢献できます。緘黙症を改善するためには、会話できる場面を増やすことも有効であるため、家族と本人が協力して治療に向き合えるようサポートすることが大切です。

関連記事:家族看護は看護師に重要なスキル!訪問看護師に必要な家族看護の考え方

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緘黙症の方への接し方を理解しサポートしよう

緘黙症とは、人前でうまく話せなくなってしまう状態を指します。中には、学業や仕事だけでなく日常生活にも支障が生じるケースもあります。

看護師は、緘黙症の方に対する適切なコミュニケーションの方法を理解し、一人ひとりにあった看護や支援を考えることが大切です。

訪問看護師として緘黙症の方をサポートする場合には、周囲の環境やご家族への配慮や理解が求められます。緘黙症の看護についてより深く知りたい方は、『訪問看護ステーションくるみ』で一緒に働きませんか?こちらから、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

鬼頭怜那

鬼頭 怜那(きとうれな)

看護師 / 産業心理カウンセラー

看護師資格を取得後、産科病棟で勤務。その後、精神科の急性期・慢性期病棟にて、精神疾患だけでなく身体疾患のある患者の看護にも携わる。精神科の訪問看護での勤務経験も活かしながら、現在はライターとして医療・薬理・在宅ケア・メンタルヘルスに関する記事を執筆中。

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